有酸素運動が体にもたらすメリット
酸素を取り込みながら体の中の糖や脂肪を燃焼させる有酸素運動が体にもたらす効果には、
主に以下のものがあります。
・心肺機能の改善(心臓・呼吸筋の強化が期待)
・血管の柔軟性の改善(高血圧・冠動脈疾患の緩和が期待)
・骨の強化(骨粗鬆症の予防が期待)
・基礎代謝量の向上(新陳代謝が促進、ダイエット効果も期待)
・体脂肪の燃焼(血中のLDLコレステロール・中性脂肪の減少が期待)
・ストレスの緩和・発散(不安や抑うつ感の軽減などが期待)
上記のように健康維持のためにもぜひ行いたい運動です。
有酸素運動の効果を得られる時間は?
体に余ったエネルギーは脂肪細胞に蓄えられますが、貯蔵された脂肪が燃焼されるには脂肪分解酵素の「リパーゼ」が必要となります。リパーゼが脂肪を分解することで、初めてエネルギーとして燃焼されます。
リパーゼには、体温が低いと働きが鈍り、高すぎてもうまく働かないという性質があります。
リパーゼをしっかり働かせるには、通常の体温から1℃~2℃ほど上がった状態(体感で言うと、だいたい体が少し汗ばむ程度)が最適です。
一般的に、運動を開始してからおよそ20分後に体は汗ばんできて、リパーゼが活性化し始めるといわれます。
20分後からは、続ければ続けるだけ体脂肪は燃やされます。
その為、トレーナーは20分以上継続しましょうとよく案内します。
では20分以上続けなければ効果がない?
20分以上継続して行わなければ効果が得られないのかというと、必ずしもそういうわけではありません。
運動の始めは糖がエネルギー源として使われ、脂肪が使われるまでには少々時間がかかるため、
そのように誤解されがちですが、運動開始後は糖のみ、20分経過後は脂肪のみとはっきり分かれているわけではなく、
運動開始直後でも脂肪は使われています。
どのエネルギー源が使われるかは、時間だけでなく強度も関係してきます。
強度が強い運動は糖質を多く使い、強度が弱くて長く続けられる運動は脂肪を多く使う傾向にあるとされています。
つまり、必ずしも20分続けなければならないわけではなく、5分や10分の運動を少しずつ細切れに行い、それを積み重ねていっても、脂肪をエネルギー源として燃焼することは可能なのです。
もっとも大切なのは、「時間」ではなく「日」の継続ということを知っておきましょう。
運動は、3日以上中断すると効果がなくなるとされています。ウォーキングを毎日30分以上行うのと、60分以上を週3回行うのでは、同じ効果が得られるともいわれています。
毎日の継続が難しくても、週3日以上を目安に続けると効果的でしょう。